人生は坂道を登るが如し


 政木先生が意図されたのは、徳川家康の「人の一生は重荷
を背負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず」といった意味
合いではなくて、むしろ「実るほど頭(こうべ)をたれる稲穂か
な」という人間性の高まりをイメージしておられたものと思われ
ます。

 著書の中で、「上を見ている人の頭は上向いている。一歩上
だけ、足の来る所だけを見ている人は頭は低く、体は前に垂
れるようになっている。こうすれば楽に登ることができる。人
生、生き方も同じである。頂上ばかりを見ている人は、頭だけ
高く、ふんぞり返っている。足もとだけを見ながら、一歩一歩着
実に進んでいく人は、頭が低く、自然と高い所へと登っている。
逆に、下りる時は、体重を後ろにかけ、ふんぞり返るようにす
ると楽に下りることができる。威張ったように大きくふんぞり返
り、人をアゴで使うような人は、下り坂を歩む一方・・・」と書い
ておられます。

先生からこのお話を初めてお聞きした後
で、何回か実際に試してみたことがあり
ます。階段を昇る時に、一段上だけを見
て、頭を下げて全体重を高い所にある
足にかける。次に素早く腹筋の力で低い
方の足を上段に上げる。これを繰り返す
と楽に早く昇れる。反対に、他事を考え
ながら先の方を見ながら突っ立ったまま
で昇ると足が疲れる、時間がかかる。こ
んな体験を繰り返し、階段を昇る時は
(1)頭を下げる(ふんぞり返らない)、
(2)できることから一歩一歩堅実に、
(3)一生懸命ではなく一所懸命に、 
と自分に言い聞かせながら昇るように心掛けております。そし
て同じ坂道を登るのなら、できるだけ高い坂道を、ゴールのみ
えない、果てしなく続く坂道をコツコツと登りきりたいものです。


<追記>

 政木先生のお話では、「坂道を登る時は、頭を下げて足元だ
けを見ていれば楽に登れますが、頂上を見ながら登ると頭が
上がって楽には登れません。人生もそれと同じで、足元だけを
見つめて、頭を下げて一歩ずつ着実に歩めば、自ずと高い所
に到達します」ということになります。
このお話は講演会で何度もお聞きし
ていましたので、十分理解できてい
たはずなのですが、今年2月の御陵
ウォークで、坂道でひっくり返って後
頭部を強打するという失態を演じま
した。幸い大事には至らず、その後
も歩き続けることができましたが、
今思い出しても冷や汗が出るくらいの危うい体験でした。

 その日は雪は降っていなかったものの、地面は凍りついてい
て、ウォークの当初から何度も転びそうになったのですが、そ
れでも一度も転ぶことなく、あと少しで頂上という矢先のことで
した。自分では頭を下げて、細心の注意を払っていたつもりで
したが、“あっ”という間もなく後頭部からひっくり返り、目から火
花がたくさん飛び散りました。少し急な坂道でしたので、氷で滑
って前に倒れることはあっても、うしろへひっくり返ることはあり
得ないはずなのですが、なぜかひっくり返ってしまいました。

 この時ばかりは、政木先生の教えを実践中とはいうものの、
まったく実践できていないことが判明して、自己嫌悪に陥った
のですが、それでも気を取り直して同じ過ちを繰り返さないよ
う、“頭を下げて(謙虚になって)、一歩ずつ”を肝に銘じており
ます。急な坂道であれば一つの石ころを踏んづけても下まで
転げ落ちることもあります。人生では、一つの“傲慢さ”が取り
返しのつかない結果を招くことにもなりかねません。政木先生
の教えを再度思い出して、これからの人生は、いそがず、あわ
てず、一歩ずつコツコツと、頭を下げて(謙虚になって)、目の
前のことだけに集中して(一所懸命)、坂道を登っていこう!と
考えております。(2005年9月号記)


<講演より抜粋>

『人生は坂道を登るがごとし』

◇人生は上がっていなくてはいけない。上がるためには頭を
上げたらダメなんです。例えば、階段を上がる時は、上体を前
に倒して頭を低くして一段前に置く。体重が前
にかかるから、腹筋の力で勝手に足が上がっ
て、どこまでも楽に上がることができます。反
対に下る時は、頭を後ろへそらす。「私は偉い
!」と頭を上げた瞬間に、下へさがっていくだ
けです。

◇東京で講演の後、スプーンがなくなってしまった。一週間探
したが見つからず、やむを得ず東京の人に電話で問い合わせ
て、忘れ物をしていないことが判明したら、“ぽっ”とカバンの上
に乗っかっていた。“ない”と思って探している間は見つから
ず、こちらに“ある”と思ったら出てきた。これは生命体の力で、
欲望がないとこういったことも起きます。

◇私の研究室の前で、彼岸花が固いアスファルトを突き破って
出てきた。これは、無限小の力で無限大の時間“じわっ〜”と押
し続ければどんな固いものでも突き破ることが出来ることを教
えてくれた。あせらずに“じわっ〜”とすれば不可能はなくなりま
す。

◇ウサギとカメの競争で、どうしてウサギは負けたのでしょう
か。カメは背が低くて、“向こうのお山のふもと”が見えなかっ
た。ウサギは見えたから一休みしてしまった。目先の小さな欲
望を持ってはいけない。到達できそうにない大きな欲望を持っ
て、それれを忘れてしまうこと。そして、後は一歩一歩堅実に
進むだけ。

◇自分は偉いと思ったら人間はおしまいで、それ以上進歩しな
い。いつでも自分ほど程度の低い者はないと思っている間は
進歩していく。階段を昇るときでも頭が高いと足が疲れる。頭
を低くして昇っても、頂上が見えると頭が上がる。最後まで頭
を上げてはいけない。そうすれば人間は無限に昇っていくこと
ができます。

<1997年3月20日政木先生講演会より抜粋>

こちらで政木先生の肉声がお聞きになれます



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